jVi, Vrapper, IdeaVIMの比較
ちょいと前にマジメに比較してみて、そのまま死蔵してた資料が出てきたので供養のつもりで公開してみる。知らない人に簡単に説明すると、jVi, Vrapper, IdeaVIMはそれぞれNetBeans, eclipse, IntelliJ IDEAのvi/vimプラグイン。世の中のvi/vimユーザの怨念たるや凄まじく、IDEなんてモードレスエディタが当たり前なのに、無理矢理vi/vimモードを実装した猛者がいるのです。
どれも一定水準以上のすばらしい出来なんだけど、vi/vim(特にvim)に対する拘りも人それぞれで、満足する人、それでも不満が残る人がちらほら。でも、どうがんばってもこれらプラグインがvimに追いつくことは叶わぬ夢なので、どの辺で妥協できるかが、これらを受け入れられるかどうかのポイントになるかと。
それと想像に難しくないけど、どれもvimscriptはサポートしてないよ。
jVi, Vrapper, IdeaVIM以外のvi/vimプラグインについては、この辺を参照のこと。
→ 各種IDEのvi/vimプラグイン - marsのメモ
→ VsVim - 平々毎々(アーカイブ)
jVi 1.4.5 : NetBeans用vimプラグイン
古くはJBuilderのviプラグインでNetBeansに移植された。もともと"vi"プラグインだったので、vimの機能が不足してたんだけど、この前調べたらそんなことなかった。
気になった点をいくつか。
- Ctrl-[ でエディットモードに復帰できないけど、オプションで指定できるようになる。
オプション -> jVi Config -> Ctrl-Key Bindings で "Ctrl-[ the "real" <ESC>"をチェックする。
- :コマンドにNetBeans固有のコマンドがある。
:fiximports ... import文の最適化 :make ... ビルド実行(引数にターゲット名を指定できる) :grep ... 「使用状況を検索」ダイアログを表示する。検索対象はカーソル位置から決定。 :tselect ... 「型に移動」ダイアログを表示する。 :e# ... #で現在開いているファイルの一覧が表示される。
- ウィンドウ分割機能あり。わりとしっかりしている。
Ctrl-W, h j k l で分割ウィンドウ間の移動が可能。 Ctrl-W, H J K L で分割ウィンドウ間の位置移動が可能。
Vrapper 0.24.0 : Eclipse用vimプラグイン
http://vrapper.sourceforge.net/home/
eclipse最古参のvimプラグインはviPlugin(http://www.viplugin.com/viplugin.htm)だったと思うけど、今はこっちのほうが有名なんでは?
こいつの一番の売りは mapコマンドでeclipseのコマンドをvimにアサインできることだと思う。
→ Eclipseのキーバインドをvim風にできるVrapperが素晴らしすぎる件について - ( ꒪⌓꒪) ゆるよろ日記
あと surround.vim(相当?)を独自実装してるみたい。
ワード移動は日本語(全角)と英語(半角)を区別しないどころか、特定の区切り子だけをみてるだけっぽかった。
IdeaVIM 0.23.93 : IntelliJ IDEAのvimプラグイン
https://github.com/JetBrains/ideavim
これもだいぶ古くからあるプラグイン。一番使い込んでて、不満があったらパッチ当てちゃうので公正な評価ができない。:-P
→ [IdeaVIM] - marsのメモ
元々はRick Maddyさんが個人的に公開してたプラグインなんだけど、彼がメンテできなくなったのでメンテナに [twitter:@oleg_s] さんが名乗りをあげて、このあたりからJetBrains公式プラグインになったみたい。ちなみに現在のメンテナである [twitter:@vlasovskikh] さんはとても意欲的で twitter で "IdeaVIM" ってつぶやくと、どの言語でつぶやいたかに関わりなく「バグだったらYouTrackにファイルしてね?」ってmention送ってくる。
ちなみに、IdeaVIMのワード移動はvim互換でちゃんと日本語と英語を区別するよ。