YouTrackを活用しましょう
この投稿はIntelliJ IDEA Advent Calendar 2013の25日目の投稿です。
JetBrainsの知名度もだいぶ上がり、Twitterのタイムラインでも日本語によるつぶやきをよく見かけるようになりました。中には「こいつ使えねー」「ワケワカラン」という否定的な意見もありますが、その気持ちはよく分かります。:-)
大夫クセが強いし、設定項目もアホみたいに多いので、どうひいき目に見ても初心者向きのIDEとは言えませんよね。親切...。これも捉え方次第で親切なIDEとも言えるし、不親切なIDEとも言えるんだよなぁ。だいぶ主観的な問題だし...。
それはそれとして「バグあって使えねぇ」系のつぶやきは、Twitterでつぶやいても何の解決にもならないので、できたらYouTrackにチケット上げて欲しいなぁと思うわけです。「(チケット上げる)そこまでの熱意はないけど、文句は言いたい」という気持ちもわかるので無理強いはしませんが。
ただ、JetBrainsはあがったチケットに対して比較的マジメに取り合ってくれるので、簡単に直せそうな類いのものだと、それこそ次のマイナーリリースまでには直してくれたりします。なので、言わないよりは言った方が何かと得です(当然、中には何年も放置されているチケットもありますよ)。
そんなわけで「YouTrackの使い方」解説です。ちなみに、YouTrackはJetBrains製のITS/BTSなんですが、自社製品のチケット管理にも使っています。なので、YouTrackといっても製品のYouTrackの事か、JetBrainsのITSのYouTrackの事かわかりづらいのですが、そもそもYouTrack自体がそれほど普及している製品ではないので、特に困ったことはありません。本エントリで取り扱うのも、後者の意味のYouTrackです。
YouTrackの辿り着き方
すでにURL(http://youtrack.jetbrains.com/)を覚えているので意識したこと無いのですが、多くの人はそんなURL知りもしませんよね。JetBrainsの各製品ページの下の方に「Bug & issue tracker」ってのがあるので、そこからたどり着けます。
チケットの探し方
YouTrackの初期画面はとても独特です。JIRAとかTrac, Redmineなどに慣れていると「どうしたらいいん?」と立ち尽くす事請け合いです。
左の「IntelliJ IDEA (IDEA)」と出ている部分が対象プロジェクトの選択エリアです。プルダウンになっていて、▼押すとこのようにプロジェクトがリストアップされます。
「Everything」は「全てのプロジェクト」という意味です。あとはだいたい見れば分かりますが、PhpStorm使っているからといって「PhpStorm (WI)」だけ見ててもお目当てのチケットを探せない場合があります。それは、コアの機能は「IntelliJ IDEA (IDEA)」にあったり、WebStorm相当機能「WebStorm / IntelliJ Web (WEB)」にあるからです。
チケットの検索は、グレーで「Enter search request」と書かれているテキストエリアから行います。なにも入力せずEnterキーを押すと、今選択しているプロジェクトの全てが検索対象になります。
この検索方法が独特で、このエリアにコマンドを入力して検索します。と、言っても覚えておくコマンドはそう多くはありません。
「未解決のチケット」
#unresolved
これだけ知ってれば十分です。
検索キーワード
keyword keyword "phrase phrase"
入力したキーワードのどれかに当たれば良い(OR条件)なら、スペース区切りでキーワードを列挙するだけ、特定のフレーズじゃないと困る場合は、ダブルクォートでそのフレーズを括ってやればよいです。
ちなみに、上記の場合はすべてが検索対象になります。タイトル(summary)や内容(description)、コメント(comments)に絞りたい場合は、こんな風に入力します。
summary: {git hg}
あと、検索キーワードに日本語はダメっぽいですね。
チケットの評価
気に入ったチケットが見つかったら評価してあげましょう。やれることは
- コメントを付けること
- 投票すること
- スターを付けること
意味があるのはコメントと投票、投票すると自動的にスターが付きます(スターを付けても投票したことにはならない)。スターは、単なるブックマークのようなものです。
投票はこのアイコンをクリックすればよいです(投票止める場合は、もう1回押せばよい)。
iPhoneなどで閲覧している場合は、モバイル用の画面になり投票ボタンが出なくなるんですが、コメント欄に「+1」とコメントしても投票したことになるので、一応覚えておいて下さい。
ちなみに、投票が多いからすぐ対応してもらえるって事は無いんですが、それでも意思表明は大事かなと(対応の早さは、対応の簡単さや影響の大きさのほうが強い感じです。
チケットのコピー
ワリとどうでもいい機能(?)なんですが、チケットの詳細表示でチケットIDの近くにマウスを移動すると図のようなアイコンが浮き出ます。
これをクリックすると今のチケットのIDのサマリがクリップボードにコピーされます。Twitterやブログに貼り付ける時に便利なんですが、できればURLもあわせてコピーして欲しかったです。
ここで突然チュートリアル
わかったけど、分かんないって人のために実際にチケットを探してみましょう。自分が感じる不満の大抵は世界中の誰かも感じているので、チケット探してみるとすでにあがっていたりします。
今回のさらし者サンプルはこちら。
「Gitでtagのpushができないか...」と言う訳なので、YouTrackにこんなキーワードを入れて検索してみる。
#unresolved git tag push
すると、いかにもそれっぽいチケットが見つかったので、即投票しといた。
まあ、これは運の良い方でキーワードが一般的すぎると大量にチケットが出るし、探すのも一苦労な時もあります。そんなときはスッパリ諦めて新しいチケットを作って報告しましょう。
チケットの作成方法
一番簡単な方法は、IntelliJ(や同系のIDE)を立ち上げて、メニューバーの「Help -> Submit Feedback」を実行することです。すると、Webブラウザに今の環境をプリセットしたチケット作成画面が開きます。
分かりづらいですが、IntelliJのバージョンは右側の「Affected versions」に入力してあります。これの最大の欠点はウェルカム画面からは報告できないことです。何かしらのプロジェクトを開かないとメニューバーが現れません。地味に不便です(が、チケット上げるほどでも無いので放置してますw
「Subsystem」や「Project」はテキトウで構いません。「Summary」で内容が伝われば後は中の人が適切なものに修正してくれます。ただ、バグ報告(Bug)ではなく追加要望(Feature)の場合は、その旨を「Type」に明記しておいたほうがいいです。
報告する側の最大の難点は「英語」だと思います。これはガンバるしかないですね。私もGoogle翻訳さんとExcite翻訳さんが居ないととっても困ります。:-P
たまにロシア語や中国語で報告してる猛者を見かけますが、少しでも直してもらえる確率を上げるのであれば英語で報告するのが無難でしょうね。JetBrainsには日本語がわかるスタッフが居そうなんですが、それをアテにするのも危険でしょう。
経験上、報告したチケットは無視されることはありません。数日中に何らかの反応があります。ただ、担当者(Assignee)が付いてからずっと放置されることは(まあまあ)あります。自分の勝率としては5〜6割は最後まで対応してもらえました。
そうそう、チケットの報告は(YouTrackのアカウントさえあれば)誰もできます。正規ユーザである必要もありません。個人的にはすっごく気前の良いチケット運営だと思っています。
文句言っても解決しませんが、チケット上げると解決に近づきます。英語に抵抗がなくてちょっと不満をもっているものがあれば気楽にチケット上げることをオススメします。